大西秀の伝え「人にはできるだけのことをしてあげ、
私が、まだ、現役の教員をしていた頃の話ですが、今でも似たような人がいるかもしれません。
若い教員たちに教師の心得や、授業の進め方など親切に教えてくれるベテランの先生がいました。その先生は、当時、教頭(今は副校長)試験を受けていたので、教育関係の法律なども良く勉強していました。その先生よりも少し若い先生も同じ試験を受けていました。
当時は、教頭試験の倍率はとても高く受かるまでに四、五年かかるのは普通でした。自分より若くして教頭試験を受けている先生の相談にものっていたので、頼りがいがあり、親切で、思いやりのある先生だと思っていました。
ところが、どういう訳か分かりませんが、自分が相談に乗ったりしていた自分よりも若い先生が試験に合格し、自分が不合格になった時から、合格した先生のことを悪く言うようになりました。合格した先生は、昇任し他校に異動しました。
仮に昇任した先生をA先生とします。ベテランの先生をB 先生とします。B先生は若い教員を飲み会等に誘っては「Aのやつが合格したのは、俺がいろいろ面倒をみてやったり、教えてやったりしたからだ。それなのに俺に対して何の御礼もない。会合であっても挨拶にも来ない」などなど恨みがましいことを言っていました。
それで、B先生は、本当に「親切で思いやりのある先生なのかな?」と私の見方が変わりました。
面倒をみたり、相談に乗ったりしてあげた先生がむずかいしい試験に合格し、昇任したのだからA先生の事を誉め、喜んであげれば良いのにと思いました。
皆さんは、B先生のような人をどう思うでしょうか。また、皆さんが知っている人の中にもB先生のような人はいないでしょうか?
本当の「思いやり」「親切」について考えさせられた出来事について話させていただきました。
(木澤文夫)